Concrete CMS バージョンとサポートに関するアップデート

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原文

2023年10月、Concrete CMS 開発元、 PortlandLabs の CEO である Franz さんと、CTO の Andy さんが、今後のバージョン番号、延長セキュリティメンテナンス (Expanded Security Maintenance - EMS) プランについて YouTube 番組「Town Hall」(ページ下部参照)にて話しました。この記事では、その詳細を紹介します。

 

Version 8 の ESM (Expanded Security Maintenance 延長セキュリティメンテナンス) とセキュリティアップデート

PortlandLabs は、Concrete CMS の Version 8 を2024年末まで延長すると公式に発表しました。現在 Version 8 の Concrete CMS サイトを運営しているユーザーは、セキュリティアップデートがあと14ヶ月続くことになります。

ただし、PHP7.4 LTS (延長サポート) を利用しているホストを利用することをお勧めします。

 

新機能は Concrete  Version 9 から

今後、ユーザーの皆さんが新しいサイトを構築するのであれば、Version 9 で始めることをお勧めします。Version 9 では、活発に新機能が開発されているからです。ただ、既存のサイトをアップデートするにも労力が伴います。そのため、既存の Version 8 サイトにも安全で動作するサイトを安定的に運用できるよう、セキュリティアップデートを提供していきます。これにより、8.5.12 バージョンの後方互換性を担保しつづけるようになります。

 

構造化リリースモデル

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Concrete CMS は、今後、より構造化したセマンティックバージョン の仕組みを取り入れていきます。このモデルでは

  • メジャーバージョン:(例: 9, 10 など) 大きな改善やイノベーションをテストを重ねて準備ができた際にリリースします。
  • マイナーバージョン:(例: 9.1, 9.2 など) 半年に1回のリリースを計画していきます。これらのアップデートでは、新機能や拡張などを、既存の機能の互換性を保ちながら提供します。
  • パッチバージョン:(例: 9.2.1, 9.2.2) 毎月リリースされます。ユーザーの皆さんがアップデートの計画をしやすくします。これらのリリースでは、バグ修正や小さな改善にフォーカスします。
  • ESM Designation (ESM指定) バージョン: 新しいメジャーバージョンがリリースされる直前の Concrete CMS のマイナーバージョンのことをいいます。例えば、8.5.12 が Version 9 がリリースされる前の最後のバージョンとなるため、8.5.12 が ESM バージョンとなります。そのバージョンから、だいたい3年程度を目安に、安定やセキュリティを担保するために、パッチリリースを提供し続けます

 

まとめ

Concrete CMS は今後、より構造化し予測しやすいリリースモデルを提供することにより、ユーザーが、セキュリティアップデート・新機能・バグ修正をよりアクセスしやすくするために努めていきます。アップグレードのプロセスを、あやふやなものから、よりスムーズなユーザー体験をすべての Cocnrete CMS ユーザーに届けられるようにします。

 

追記

ESM のパッチリリースでは、最新バージョンで提供されるセキュリティアップデートのすべてを取り入れるわけではありません。Concrete CMS コアチームが Critical (特級権限を部外者に与えてしまうようなもの) と判断するものを主に取り入れていきます。

 

Concrete CMS October Town Hall (2023/10)